IoTの時代に思う、事業領域という考え方ではなくコンテンツという考え方

2015/08/04
ITproを読んでいてIoTの話題が出ていた。
その記事によるとIoTにより顧客の事業領域とベンダーの事業領域が重なって競争が生まれるだろうと書いてある。
反論するわけではないが、それについて感じたことを書いておきたいと思う。

IoTの前の状態

遠隔制御、計測等々の世界は思っている以上に歴史が古い。河川の水位計測なんてすでに50年とかの歴史がある。エレベーターの運行監視なんかも30年以上の歴史がある。

もちろん当初は有線の回線を接続して計測値やアラートを送信していたのだが、途中から無線に切り替わっている。この無線に切り替わっていったのが2000年前後のお話しである。

つまりIoTの歴史は言い方は変わっているが、かなり昔からデータ収集を行いそれにより計測や制御を行ってきたという事なのだ。なにも今になって始まった事ではない。

無線でネットワークに接続できるという意味

無線通信を利用すると様々なモノのネットワーク接続が非常に楽になるという事は容易に想像できる事だ。
身近にあるLANでもそうだが有線LANで接続しようとすればケーブルを張り巡らして工事を伴う。これが無線LANを利用するとその工事の部分が全く無くなるのだ(無線LANの親機は除く)。

つまり今まで考えられなかった場所やモノまで接続できてしまうという事だ。例えば有線のケーブルを引けない場所、可動式のモノ等だ。それに車みたいな大きな距離を移動するモノにも適用ができる。重機は盗難が多いという特性があったので早い時期から導入が進みすでにかなりの歴史がある(コマツ以外にもたくさん事例がある)。
もちろんこれに例外はあって、例えば水中だとかについては現在でも無理だろう。

さらに無線LAN以外に目を向けてみれば公衆サービスがある。公衆サービスというのは営利目的での広くサービスされる回線の事で現在の4Gサービスはこれにあたる。公衆回線の反対語は自営回線という事になる。現実的には無線で接続するには公衆4Gサービスを使用するか無線LANを使用するかという事になる。

こうした無線でのデータ収集が可能となってきた事で飛躍的に接続できる機器や場所が広がった事に意義がある。その結果よりデータの蓄積が進むという事なのだ。

↑ ボイラーで有名な三浦工業のオンラインでの保守体制の例、常時オンラインで監視している事で異常値が出たら警告を発する事が出来る、ボイラーは動かないが無線での通信を使用する事で設置時の手間が大幅に省ける、画像はメーカーサイトより拝借

無線でネットワークに接続する目的

これはその事業を行う会社のビジネスモデル次第という所である。顧客に何が提供できるのか、提供しようとするのかという事だ。
その検討の結果が無線を選択したという事だ。こうして接続された機器からの情報を集めてサービスとしたり新しいビジネスモデルにするという事だ。

無線であるが故に前述の通り様々なメリットが生まれる。特に動くモノに関しては必須である。例えば車、そして重機これらは以前から様々な形でデータを蓄積してきている。

要はその蓄積された情報をどう利用するのかという事だ。俗に言うビッグデータの一部としてこうした動くモノからの情報が増えている。身近なところではGoogleMapに表示される赤い渋滞情報は各自のスマホから収集されているのだ。

ネットに接続するモノがどんどん拡大中でどういう事が起きる?

これはつまり蓄積できるデータが多くなり種類も増えるという事だ。サンプルの多いデータを利用する事でより正確で狙い通りの効果を期待する事が出来るだろう。

利用者がインフラの事を意識しないでもITを利用できるという社会になって来ている。こうした中、管理人としてはこれからはコンテンツの時代だと思っている。つまり提供するプラットフォームはより黒子に徹し主役はそのデータなりコンテンツである。
利用者にとってはプラットフォーム自体が有益なのではなく、それによって提供される情報が有益なのだ。これは昔からそれほど変わっていない事だがITに関わる者として誤解しやすい部分でもある。

この考えを進めていくとデータを沢山持っているところが有利なのは明白だろう。この事はITベンダーであろうとユーザー企業であろうと変わりはない。
ましてこうしたデータを沢山持っているのは顧客を抱えたユーザー企業なのだ、ITベンダーではない。GEのお話も出てくるがこうしたデータを沢山持てる可能性のある企業だ。

あくまでもシステムと言うのはツールであって目的ではない。ココを勘違いしてはならない。
そしてその上には大量のデータやコンテンツが乗り利用者にとって有益な形を取る。利用者は最終的にこの情報に対して対価を支払うという事だ。
何も難しい事ではない非常にシンプルなのだ。

今回はこのへんで
では

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