ワイヤレス給電は様々な分野で期待されている技術なのだ。
もし実用化されれば電気自動車(EV)は走りながら充電できるしスマートフォンなんかも身に付けたまま充電できる可能性がある。
通信は無線化されごく普通になったが給電は有線のままなのだ。
非接触給電は普及してきているが
現在ではスマートフォンの充電に良く出てくるQi(チー)が主流だがこれらの技術が普及し出したのはごく最近の事だ。
ユーザーにとってはトレーに置くだけで充電できるために非常に利便性が高い。
最近では車にも搭載されて車内でスマートフォンを置くだけで充電する事が出来るようになった。
コネクターを繋ぐわずらわしさが無いのが良い。
ワイヤレス給電技術「Cota」
今回紹介するのはKDDIが資本提携しているOssia (オシア)というアメリカの会社が開発した「Cota」という技術だ。
最大の特徴は最大約10m離れても最大1Wの給電が出来る事だろう。なんと距離が10mまでいける。
この「Cota」という技術内容はは次のようになっている。
2.4GHz帯の無線(Wi-FiやBluetoothと同じ周波数帯)を用いる電波伝送方式にて、複数且つ広範囲の給電が可能です。
障害物がある場合や、受電側が移動している場合でも給電することができます。
受電側のレシーバーは非常にローコストで実装できるため、IoTデバイスに適しています。
デバイスメーカーや開発者向けには、チャージャー(送電)やレシーバー(受電)だけでなく、給電を操作するためのクラウドやモバイルアプリケーションの開発までを含む、総合的なプラットフォームを提供します。
この「Cota」が面白いのは2.4GHz帯の無線を使用しているところだ。
給電とデータ通信が同時にできるのかどうかは不明だが両方できるとなると大変面白い事になりそうだ。
ワイヤードとワイヤレスの葛藤
管理人が現在で言うIoTデバイスをかつて扱っていた時に問題となっていたのがワイヤードとワイヤレスの葛藤なのだ。
IoT機器の設置にはコストと手間がかかる。
その大半は機器のコストと配線の手間となる。
通信のワイヤレス化は進んだが
そこでこの負担を少しでも減らすために通信に関してはワイヤレスへ一気に移行した時期があった。
通信線をIoT機器まで引き回さなくても良いので設置の自由度が上がり設置コストが下がった。
これには無線通信費用が劇的にコストが下がって有線の場合と変わらなくなったという事が大きい。
しかし通信はワイヤレス化されたが残された給電とセンシング用のワイヤリングはそのままだったのだ。
センシング情報伝達のワイヤレス化も
1つの建物内で多数のセンシングを行う場合のノード間を無線で結ぶという技術はかなり昔からあり利用されてきた。
無線技術としてはIEEE802.15.4を利用したZigBeeなんかが比較的良く使われる。
給電ワイヤレス化の意味するところ
今回給電がワイヤレスにできる可能性が出たことで設置の自由度が飛躍的に向上する。
通常IoT機器はセンサーの近くに設置する事が多いので今回の技術でほぼワイヤレス化ができるのだ。
これは現場の事情を考えると非常に大きな事だ。
つまり設置はセンシングする対象にセンサー用の配線を行うだけで設置が完了だ。
後は通信も給電もワイヤレスで行われる。
非常にシンプルになる。
こうした技術が一般的になりコストが下がると一気に普及する事になるだろう。
今回はこのへんで
では