2015/06/11
ETWestという展示会が2015年6月10日~11日に大阪で開催されている。これに行ってきたので少し書いてみた。
ETはEmbedded Technologyのこと
要するに組み込み型のITシステムの総称なのだ。例えば家電や計測装置等々の機械に組み込むシステムの事を指す。
この分野のカバーする範囲は大変広く様々な分野がある。最近旬なところでは太陽光発電やホームコントローラーの類、それに車載システム等がある。
一番歴史のあるのは河川の水位計測システムから始まっているのではないだろうか。あるいはエレベーターの監視だろうか。
汎用のOSが使えない機器や専用のボードコンピューターに対してのモノだ。
Embeddedの最近の傾向
組み込み型も一般のソフトウェアのようになって来ている事が顕著だ。例えば構築のためのプラットフォームやデバッガー、それにテスト環境等々が豊富に揃うようになってきた。
新しい分野ではプロトコルが整備されて一般のアプリケーションのようになって来ている。ただしこの世界にはマイクロソフトやアップルのようなガリバーがいないので長いモノに巻かれるという事は少ない。
面白いのはこうした組み込み型の世界でも仮想のシステム構築が出てきている事だ。現在サーバー構築では仮想環境は非常に一般的になりレンタルサーバーが安く借りれるようになったのはこのおかげだ。一般のシステムと事情が異なるのはこの仮想が非常に狭い範囲での事ということである。例えば車載のハードウェア上に仮想環境を構築し、各種の処理を各ゲストOSが受け持つという仕組みとなっている。
Embeddedとクラウド
IoTという表現も登場しているが、内容はこの延長線上にある。今まで繋げる事を必要としなかった機器までネットワークに繋がるようになる。これで何ができるのかと言うとまだ不透明な部分も多い。用途はこれから考えるという所だろうか。
最近は通信プロトコルがTCP/IPが必須になり、インターネット経由でも繋がるような仕組みである。このためクラウド上にサーバーを置きトレンドデータを収集する仕組みも普通になってきた。センサー部分は未だにシリアル通信が基本なので、シリアルからTCP/IPへの変換が必要になる。こうした細かい部分は無くならないだろう。
EmbeddedとOSS
組み込み型の世界ではサーバーの世界のようにオープンソース化はなかなか進まない。これは非常に応答時間だとかシビアなチューニングをしなければならないからだ。そうするとOSメーカーが保証や構築方法まで踏み込まないと実現が出来ない。
逆に言うとシビアなチューニングが必要無い時にはオープンソースで十分という事なのだ。これらもこれから加速する動きであろう。
Embeddedと近距離無線
通信を無線化するというのは昔からある課題である。やはり現場のワイヤリングが大変なネックとなってしまう事が多い。
そこで近距離の無線の登場となるのだが、以前からあるZigBeeも健在だしWiFi利用も消費電力等々の制限を乗り越えつつあるように思う。ただここも消えてと言う製品というか規格が無くバラバラとしているのが現状だ。
逆に近距離ではない無線通信においては各キャリアが提供する3G回線が主流でありこれは以前と変わりない。
Embeddedとセキュリティー
以前の組み込み型システムの世界ではセキュリティーなんて全く心配する必要が無かった。と言うのはネットワークは閉域だしプロトコルは独自だし盗まれる要素と解析される要素が無かったという事情による。
しかしIoTと騒がれだしてインターネット経由での通信が多くなってくるとそうも言ってられなくなる。インターネット上にVPNを張るのならともかく、そうでは無い時には一般のPCと同程度ののセキュリティー対策が必要になる。便利になる反面失う事も多いのだ。
サーバーサイドのアプリケーションではセキュリティーコーディングが普通になりつつあり、これを実践しないと即攻撃の餌食になる。これと同じことが組み込み型の世界でも起きようとしているのだ。この部分はこれから要注目の分野である。
今回はこのへんで
では
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